バラといえば、あなたは何色を頭に思い描くでしょうか。赤、白、ピンク……おそらくイメージするのはこのような色ではないかと思います。ところが近年は、ありとあらゆる色のバラが店頭に並んでいるのです。
はじめに挙げた3色はもちろん、黄色、紫、そして青。今まででは考えられなかった色のバラが、今や簡単に手に入れることができます。けれどもこのようにバラエティーに富んだ色のバラが並ぶのは日本の花屋だけだということを、あなたはご存知でしたか。
バラは永らく、赤もしくは白が定番の色でした。現在は女性が好むピンクのバラが所狭しと並び、花屋を彩っています。
かつて、バラの色をもっと増やそうと、多くの科学者たちがバラの染色を試みました。当時は白色のバラを染めるというやり方でしかそれを実現することができなかったので、自然界から採取できない青は到底実現不可能な色でした。それだけに、青いバラを生み出すなど、現実味が薄いことだったのです。
研究を続けていくうちに、バラを青に近い色に染色することには成功したものの、どう見てもそれは紫。鮮明な青色をしたバラをこの世に生み出すことは、もはやできないのではないかとも言われました。しかし、2009年、日本の企業サントリーがとうとう青いバラを作ることに成功したのです。このとき、「青いバラを作る」という最初の試みから20年という歳月が経過していました。
染色では不可能と言われた青いバラの成功。そのカギは、遺伝子組み換えという技術にありました。この技術を用いて青の色素を合成することに成功し、念願の青いバラが誕生したのです。サントリーの発見以来、日本でのみ、幻と呼ばれた青いバラを容易に購入することができるようになりました。けれど、その値段は1本およそ2000円と、決して安いものではありません。
アメリカでは昨今、そのような決して安価ではない青いバラの需要が増えてきています。そのことを受けて、11月初頭、同地そしてカナダで、とうとう青いバラが発売されることになりました。バラの名前は「applause(拍手)」。文字通りこの青いバラは、たくさんの拍手を持ってアメリカ市場に迎え入れられることでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿